人事院勧告(じんじいんかんこく)とは

人事院勧告(じんじいんかんこく)とは、人事院が、民間企業に勤めている人の給料と一般職の国家公務員の給料水準を比べます。その双方の給与の格差をなくすことを目的とし、給与の改定を内閣と国会に提出(勧告)することをいいます。すなわち、企業の業績が良ければ当然そこで働く人々の給与も上がることになります。そのとき国家公務員の給与も上がることになるわけです。逆に不景気が続き民間の業績が悪化した場合は、民間の給与が下がった場合は、国家公務員との給与の格差が大きくなることから国家公務員の給与も下げられることになるのです。この調査、即ち給与実態調査を人事院が行い、その必要な報告書を内閣と国会に対して行うことから一般には「人勧(じんかん)」と呼ばれることもあります。人事院勧告 2007が実施されました。その結果、国家公務員一般職給与(行政職)について、月給を平均1352円(0.35%)引き上げられました。また、期末・勤勉手当(ボーナス)を0.05か月分上げて4.5か月分となりました。月給の引き上げは、初任給を中心に若年層に限り実施されました。中高年層は据え置きとされました。人事院が引き上げを勧告するのは2001年以来6年ぶりです。みなさんはこの人事院勧告 2007をどのように思われますか?

公務員は制限されています。団体行動権が!

労働者には労働基本権という権利が保障されています。労働基本権には三つあります。(1)団結する権利。(2)団体交渉をおこなう権利。(3)団体行動を行う権利。です。これは日本国憲法の第28条でしめされています。不況の時期、あるいは、就職難の時代には、あまり聞き慣れない言葉になってしまいましたが、時には憲法を読んでみることも大切なことです。この(1)の団結する権利とは、勤労者が使用者と対等な立場に立って、労働条件などについて交渉するために労働組合をつくる権利です。また加入する権利のことです。いまこの労働組合の力がどんどん小さくなってしまっています。働けるだけいいという社会情勢の中で如何に基本的な権利を守っていかなければならないという難しい状況になっているのが現状です。(2)の団体交渉権は使用者(会社)と交渉して、労働条件などの改善の協定を結ぶ権利をさします。(3)の団体行動を行う権利は、団体交渉において使用者(会社)に要求を認めさせるために、団結して就労を放棄(ストライキ)する権利のことです。公務員はこのストライキが制限されているのです。ご存じでしたか?

公務員の団体行動権が制限されたための代償処置

人事院勧告とは、団体行動権(ストライキ)といった労働基本権を制限されている公務員に対する代償措置と位置付けられています。人事院とは国家公務員の人事・給与を勧告する機関です。 国家公務員法の規定に基づき、1948年に内閣の所轄の下に創設されました。国家公務員の採用から、給与などの勤務条件の改善、行政人事の承認まで、独立性の高い合議体として事務を処理する機関です。人事院は、毎年、人事院勧告を行ってます。この勧告は、公務員の賃金にそのまま反映されます。2000年の人事院勧告によると、日本経済の不況を理由に、年間給与は平均して 6.9万円の減少することになりました。 それ以降人事院勧告での上乗せは実施されていません。好景気に支えられた時代に人事院勧告が実施され民間との格差がなくなるほど公務員の給与が改善されたとは思われません。しかし現在、横並びや年功序列型の賃金体系からの脱却を図ろうとする公務員制度改革が盛んに議論されています。これまで人事院の権限とされていた人事や給与に関する事務を大臣に移し、優秀な人材を確保・抜てきする一方、勤務意欲のない職員を降任させるといった厳しい制度への転換が求められています。

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